「杉のDIYデザイン展 in 新宿」 ワークショップレポート

新宿のリビングデザインセンターOZONEで開催された「杉のDIYデザイン展」の連動ワークショップとして、「東京の杉を使って2WAYスツールを作ろう」ワークショップが開催されました。

開催は5/3(金)、5/4(土)の2日間、定員は各8名で受け付けをしていたところ、申し込み多数により、急遽開催日を追加しまして、6日(月)も合わせて、計3日間開催しました。


・普段DIYをしている方

・これからDIYを始めようと思っている方

・遠方からお越しの方(なんと遠くは静岡から!)

・ものづくりは好きだけどなかなか自分から動くのはハードルが高いと思っている方

・ノコギリ使ったことあるけどまっすぐ切れるか不安な方

・本を購入したので自分でやろうと思っていたけど、せっかくならばと参加してくださった方


などなど、いろんな方々に参加いただきました!

今回は参加者が多かったので、講師は私、大沼勇樹に加え、グループモノ・モノメンバーの笠原嘉人さんが助っ人してくださいました。(下写真でノコギリを持っているのが私です)

杉でつくる家具のワークショップは、道具の使い方をレクチャーするところから始まります。

ノコギリには、まっすぐ切れない、切り口が汚くなってしまう、すごく疲れるといったイメージがあると思います。

そんなちょっとした思い込みを、道具の仕組みと扱い方、そして体の使い方(!)を知ることで、そんなイメージを払拭して、皆さんにノコギリの面白さを知ってもらえたらいいな、と思っています。

まずはノコギリを使っているときに難しいと感じたことを共有します。時々クイズをして、皆さんに、「なぜ?」をいろいろと予想してもらいながら、みんなで原因を考えてもらったりします。

クイズを出されると答えるのは少しドキッとしますが、道具をよーく観察したり、ノコギリを引くときに自分はどう動いているかを確認することができます。

よーく考えてみると、確信はないけど、「なんとなく、こう?」という答えがでてきます。

そのあと答え合わせをしながら、頭で考えたことを体で答え合わせをします。


ノコギリを使うときの姿勢もとても大切です。

「ノコギリの刃をまっすぐみる」

「ノコギリをまっすぐ引く」

その二つをするだけなのですが、そうするための姿勢が以外と曲者。

参加者の様子を見ながら、姿勢のレクチャーもしていきます。

なんだかスポーツみたいです。


最初は言っていることがよくわからないところもありますが(笑)、実際に練習しながら試してみることで、初めはなんとなく、次第に、こうかもしれない、とわかってきます。少しずつ上達するとなんだか嬉しくなります。

たくさん練習しても不安です(笑)

一旦休憩をして、頭と体を休めていざ実践です!

スコヤと型紙を使って材料に印をつけて、ノコギリで切っていきます。皆さん、ノコギリを使うたびに少しずつ姿勢が良くなっていくのがわかります。何かコツをつかんだのかな、と僕らはそんな目で見ています。この瞬間も楽しみの一つです。


ノコギリで切り終わったらいよいよ組み立てです。

下穴をキリで開けて、ビスをドライバーでねじ込んでいきます。なかなか地味で大変な作業ですが、場の雰囲気も相まって、大変ながらも少しずつできていくスツールをみんなで楽しみながら組み立てができました。

組み立てができたらあとは仕上げと調整です。サンドペーパーで角を落としていきます。スツールを隅々まで触れてみて、丁寧に仕上げていきます。

角が取れて、なめらかになると、完成が近づいた実感が湧いてきます!


さて、最後は脚部の調整です。

ノコギリで引くので、どうしても最後にガタつきが出てしまいます。スツールを置いてみて、どのくらいガタつきがあるのかを目で確認します。片脚が浮いているので、どのくらい浮いているのかを定規で測って、反対側の脚に鉛筆で印をつけて、脚先を切り落とします。


ドキドキしながら再びスツールを置いてみて、(ピタッ…)。ピタッと決まったときには参加者の皆さんから拍手が…。

調整した本人もドキドキです。拍手に安堵して、ワークショップはなんとか終了しました。


時間は予定よりもオーバーしてしまいましたが、皆さん完成するところまでやり遂げることができました!自分が作ったスツールに腰掛けて、やったー!と参加者から笑みがこぼれます。いやー、良かった!と僕もおもわず笑顔になりました。


ノコギリの使い方から始めるワークショップはなかなかマニアックです。身近なようでDIYではあまり登場しないノコギリ。ちょっとでも苦手意識を取り除いて、これからノコギリを使ってものづくりをしてみようかな、と思ってくれたらいいなと思います。


これからも道具の楽しさを伝えるために、杉を使った家具作りを広めていきたいと思います!

次のワークショップは、2019年5月29日(水)からはじまる「木工家ウィークNAGOYA」で開催します。東海方面の方のご参加、見学、お待ちしてます!

名古屋でのワークショップの詳細・お申し込みはモノ・モノのウェブサイトで。

文:大沼勇樹(グループモノ・モノ)

「杉でつくる家具」公式サイト

1953年にデザインされた、DIY家具が現代によみがえる。