「杉でつくる家具 in 東京・MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」 ワークショップレポート

2019年11月23日と12月7日にMUJIcom武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスでワークショップを行いました。題材は、11月23日は「しっかりと積み重ねられる本棚」、12月7日は「筋交いの効いた2WAYスツール」です。

今回は、MUJIcomで開催された展覧会「木になる展―消費者から共創者へ―」の期間中のワークショップとして行われました。

「木になる展」は、「コイヤ協議会」および「MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」店と共同で開催された展覧会です。「コイヤ」の活動は、各地域にある資源(木)をその地域にある技術で活用を考える、という理念のもと行われています。中でも、「消費者から共創者へ」という考えは、故秋岡芳夫が唱えた「消費者をやめて愛用者になろう」という考えと共感するところも多く、今回グループモノ・モノは本展覧会に協力という形で携わらせていただきました。

さて、今回のレポートでは12月7日に行われた2WAYスツールのワークショップ風景をお伝えしたいと思います。

2WAYスツールのメイン講師は、グループモノ・モノの笠原さんです。恒例の自己紹介から始まり、今までノコギリを使ったことがあるかどうかなど、参加者の皆さんとやり取りをしながら和やかにワークショップは始まりました。

墨付けのやり方、ノコギリの扱い方についてレクチャーを行い、それぞれ皆さんの材料を手元に持ってきて、墨付け〜ノコギリ加工を行っていきます。

加工が始まると、店内には”ギーコー ギーコー ギーコー”というノコギリで木を切る音が響きます。途中、講師の笠原さんと僕は見回り、適宜参加者の様子をチェックしながら挽く時の姿勢を修正していきます。

まっすぐ切れていない原因を探し、丁寧に伝えて、それを踏まえて修正した時に、参加者から「あ、(引きやすい)」という声が聞こえてきます。

できるまで試し用の材を何度も切って試す参加者の皆さん。頼もしいです。

しかし、本番の材料を切る時は、皆さん緊張の面持ちです。

僕らもできる限りリスクが低くなるようアドバイスの声は絶やしません。

材料が切り終わって、次は組み立てです。ビスをねじ込む際には、ドライバーを使いますが、ドライバー一つ使うのにもコツがあります。

手のひらでドライバーの持ち手を包み、しっかりと体重をかけながら押しながらビスをねじ込む。簡単に見えますが、ねじ込みたい方向に体重をかけるのはなかなか難しく、気を緩めれば、あらぬ方向にビスが進んだり、全然ビスが入っていきません。

組み立ての途中で一休み。

休憩の時間を使って、森のこと、木のこと、杉でつくる家具に出てくる構造のことを学んでいきます。身近な素材である杉の現状、また、その特徴を知り、それを生かした構造であることがわかると、今作っているモノへの愛着もひとしおです。

組み立ても後半に入り、脚部の最後のパーツを組み立てていきます。ようやく座れる形になると、皆さんとりあえず腰掛けてみます。すると自然と笑みがこぼれます。

最後はサンドペーパーで面取りをして仕上げて完成です。

時間を超過してしまいましたが、皆さん無事に作り上げることができました。

皆さんから感想をいただき、僕らも今回のワークショップで伝えたかったことを改めて振り返ります。

僕らがお伝えしたいことは大きく3つあります。

一つは、身近にある杉(針葉樹)のこと、そしてその周辺のことを知ってほしいということ。

もう一つは、構造を理解した上で形を考え、デザイン性の高いものづくりを楽しんでほしい、ということ。

最後は、つくるもの以前に、道具のことを知り、それを暮らしを豊かにする技術として取り入れてほしい、ということです。

 

これからもそんな想いを皆さんに届けるために、2020年もワークショップをどんどん開催していきたいと思います。


文::大沼勇樹(グループ モノ・モノ)

「杉でつくる家具」公式サイト

1953年にデザインされた杉のDIY家具が現代によみがえる。